Bitter chocolate







あたしのことも、ちゃんと見てくれてたんだ…。


部長も部長で、やることたくさんあるのに変な気使わせちゃって…、悪いなぁ…。


「…す、すみません!最近寝不足の日が多くて…。ちゃんと劇に集中するようにしますね!」


つい、嘘をついてしまった。


…でも、好きな人のことで悩んでますなんて、部長に言えるわけがない。


上手く誤魔化せたのかわからないけど、部長はそう言うあたしを、もう一度疑わしい目で見た後、「ならいいんだ」と言って解放してくれた。


ホッと息を吐く。


よかった、バレなくて…。


圭は鈍感中の鈍感だから、嘘をついてもバレることは滅多に無いけど、部長はするどそうだったから、終始胸がバクバク言っていた。


…部長に迷惑かけないように、これからはちゃんと劇だけに集中出来るように頑張ろう。


劇に私情挟むなんて、そんなことしちゃダメだよね。


圭と仮の付き合いするって決めたのも、私だし。


傷ついてる場合じゃないっつーの!



私は、自分で自分を励ましながら、笑顔を作って圭が待っているであろう、校門へと向かった。