Bitter chocolate







その日も、モヤモヤした気持ちのまま部活が終わった。


「はぁ…」


これで、何度目のため息だろう。


気づけばため息を吐いている自分に嫌気が差しながら、あたしは部室を後にした。


外に出ると、目の前にいた部長と目があった。


「…あ、えっと…、お疲れ様です…!」


何処か気まずさを感じながらも、そう言ってぺこっと頭を下げた。


暗闇であたしの姿が見えづらかったのか、部長はあたしをじぃっと見つめてから、


「あ、林檎か。お疲れ様ー!」


と、挨拶を返してくれた。


一瞬無視されたのかと思ってしまったから、ホッと胸を撫で下ろし、部室の横を通り過ぎようすると。


「ちょっと待って」


部長に、肩を掴まれた。


思わず、ドキッとする。


…えっと…?


どうしていいか分からず、ぽけっとした顔で後ろを振り向く。


「…な、何ですか…?」


「…林檎さ、悩み事とかあったら気軽に相談してね?」


「え…?」


思ってたのと全く違う発言に、拍子抜けする。



「…最近、劇の最中とか凄い顔暗いし、ボーッとしてるなって思って。だから悩み事あるなら溜め込まないで吐き出してね?」


にこっと、笑いかけてくれる部長。


部長の優しさに、じわーっと胸が暖かくなる。