…ていうか、言うことはそれだけ?
相変わらず、表情からは何も読み取れない。
「…勝ってカブトの緒を締めよ」
「え?」
「いや、そういえばそんな慣用句あったなーって」
純也くんはそう言って、またにこっとあたしに微笑みかけると「じゃあね」と言って教室から出て行った。
…最後に、純也くんが呟いた言葉。
勝ってカブトの緒を締めよって…、油断大敵と似たような意味の言葉だよね?
…え、なに。もしかして、圭と付き合えたからって油断するな、舞い上がるなってこと?
・・・いやいやいや、別に舞い上がってないし。むしろその逆だし。
ていうか、それだけを言いにあたしのクラスに来たんだったら何て性格が悪いの…。
…純也くんとは仲良くできる気がしない…。

