何秒か沈黙が続き、やっと優香が口を開いた。
「それ、林檎に何か得ある?」
「……厳密にいえば、ない、けど」
「けど?」
「…好きな人と付き合ったっていうのは、例え仮でも、事実だから……」
「うん」
「おかしい、って思われるかもしれないけど……それでも、今だけは彼女として、圭の傍にいたい」
「…そっか。まあ、林檎がそう思ってるなら私は無理に止めないよ?…だけど、確実に後で泣くことになるよ、それでも平気?」
…わかってる。
それをわかった上であたしは圭と仮で付き合うことに決めたんだもん。
「大丈夫。現にもう泣いてるしね」
少し笑いながらそう言うと、優香もふっと微笑んであたしの頭を撫でてくれた。
「私の胸貸してやるからいつでもおいで」
「……じゃあもっと胸おっきくして」
「死んどけ」
そんな冗談を言いながら、優香と顔を見合わせ二人同時にふふっと笑った。

