「…ごっ!林檎!起きろって!」
「……ん…」
カーテンの隙間から差し込んでくる光が眩しい。
うっすらと目を開けると、そこにはあたしを見下ろしている圭の姿があった。
あれ…なんでここに圭が……
「って、えーっ!?!?!な、なんでいるのっ!?」
寝惚けていた意識が一瞬ではっきりした。
ぱちっと目を開けて、布団を頭から被る。
あたしは軽くパニック状態。
「林檎、玄関開いてたぞ?無用心すぎだろ」
なるほど。玄関から堂々と入ってきたわけですね。
あたしは昨日ちゃんと閉めたから…、お母さん朝閉め忘れたんだな…。
でもなんであたしの家に?!
「早く準備しないと遅刻するぞー」
「なっ、なにしに来たの…」
帰りは一緒に帰るのが多いけれど、朝はほとんど一緒に登校しない。
圭が朝練とかあって時間が合わないから、たまにばったり会ったときに一緒に登校する…って感じ。
「ん、迎えにきた」
「なんで・・・?」
「なんでって…仮にも、彼女だし」
あ、そっか。
そういえば昨日“仮の”彼女になったんだっけ・・・。