どうやら、それは圭も同じだったようで。


「…じゃあ、俺が林檎の王子様になるっ!」


圭は元気良くそう言った。


「え、ほんとぉ!?あたしと圭、結婚するの?」


「うん!俺、林檎と結婚する!」


「嬉しい!あたしも圭と結婚するぅ!」


小さなあたしたちは“結婚”の意味をまだ全然わかってなくて。


「約束ね!ゆびきりげんまん!」


そう言って小さな小指を差し出して、圭と指きりげんまんをした。



小さな頃の結婚の約束。


少なくとも、もうあたしは7歳のときから圭のことが好きだったようで。


将来、この人と一緒になるんだって曖昧に考えてた。


嬉しくてくすぐったい。


そんな、楽しい思い出。