Bitter chocolate









たくさんの人に「似合ってる」とか「かっこいい」とか言われるよりも、由香に一言「似合ってる」と言われたほうが何倍も嬉しいのはなんでだろうな。


どんだけコイツに惚れ込んでるんだか…。


由香から離れ、俺は言う。



「ちょっとくさいけど、俺はお前の王子様なんだろ?」



「そうだよ!塁くんは私のたった一人の王子様なの!」



「…じゃ、そんな王子様からプレゼント」



ポケットから、一つの箱を取り出す。


由香はぽかんとした顔で俺を見ている。



箱をあけ、由香に見える。


中には、二つのリング。



「塁くん、これ…」


「…ペアリング。俺、由香のために医者になるから。…だからさ、それまで待っててくれない?いつか本物をつける日まで、これで俺に縛られてて?」



もう俺は、由香を手放す気は一生ない。


なんとしてでも、由香のことを繋ぎとめておきたい。