「新婦、白雪林檎よ。汝は、楽しいときも辛いときも小笠原純也を愛し、ともに暮らしていくことを誓いますか?」
窮屈な箱から抜け出し、たくさんの人の力を借りて前に進むことが出来たあたしたち。
遠回りもしたけど、こうして今…二人で同じ場所に立っている。
終わりよければすべてよし。
今、その言葉があたしたちにぴったりだと思う。
「…はい、誓います」
こうやって、神父さんの目を見てはっきりそう答えることが出来るのは、純也くんのことを心の底から愛しているから。
今が、とてもとても幸せだから。
苦くて苦くて、まるでビターチョコレートのようなあたしの恋は、甘くてとろけるほどの恋にいつの間にか変わっていた。
「それでは、誓いのキスをー…」
向かい合い、純也くんの手によってベールが上げられる。
目と目とが合い、何だか照れくさかった。
「…あたしね、今までずっと王子様はお姫様を幸せにする義務があるって思ってたの」
「うん?」
「でもね…、今はもう、違うよ。…あたしたち二人で、支え合いながら幸せになっていこうね」
「もちろんだよ」
純也くんがクスリと笑う。
お姫様にも、王子様を幸せにする義務がある。
ねえ、そうでしょう?
あたし…純也くんのお姫様になれてよかったよ。
「…愛してる」
……静かに、あたしたちの唇が重なった。

