Bitter chocolate










「なんて綺麗な姫なんだ。まるで眠っているようだ」



そんなセリフが聞こえ、さあ次だと喉をごくりと鳴らすと。


いきなり、ガゴンっとステージの照明が落ちた。



え…?


あれ?ここって暗くするシーンだったっけ…?


練習でやったのと違うことが起こり、少しだけ焦りがこみ上げる。


…大丈夫、大丈夫。


自分に言い聞かせ、目を瞑ったままでいる。



客席のみんなは、少しざわついてはいるものの、特に気にしていない様子で次の展開を待っていた。



パッと照明がつき、安心する。


塁の手が、あたしの肩に触れる。


ここのシーンは、みんなに見えやすいよう、あたしの上半身を塁が起こし、キスシーンへと入る。



…そろそろだ…!