Bitter chocolate









ただ目線を逸らされただけなのに、妙な違和感を覚える。


少しずつ、不安の波が押し寄せてくる。



「林檎?どうしたの?」



虹華ちゃんと圭が、黙り込んだあたしに話しかける。



「あ、えっと…純也くんに用があって…」



ぎゅっと、カバンを持つ手に力が入る。


圭は「ああ」と一言だけ言うと、純也くんを呼んでくれた。



純也くんが、こっちに向かってくる。



「じゃあ、私たちは行くね!」



「あ、うん。じゃあね」



二人は手を繋ぎながらその場を去った。



「どうしたの?」



純也くんが相変わらず笑顔であたしにそう言った。


…違う。


これは、今まで見てきた純也くんの笑顔じゃない。