Bitter chocolate









あんなつらい経験、二度としたくない。


新しい恋を始めようと思うのと裏腹に、もうつらい恋は経験したくないって思っているあたしもいる。



楽しいだけが恋じゃない。


甘いだけが恋じゃない。


それはわかってるつもり。


…でも、あたしの初恋は苦すぎた。



もう想うだけは嫌なの。


…そう考えたら、怖くて一歩が踏み出せない。



「…怖いよ。きっとあたしばっかり好きになる気がするの」



「林檎は今、誰を思い浮かべて言ってる?」



…そんなの、一人しかいない。



「……純也くん、だよ…」



あたしは確かに彼に惹かれてる。


…好きに、なってしまったんだと思う。



「…純也くん、すごくモテるの。かっこいいし、優しいから。あたしのこと好きって言ってはくれたけど…、きっとすぐ飽きられる。塁の言うとおり、あたし寸胴だし」



あははと笑ってみる。