「なあ、林檎覚えてる?高1のとき、俺と電話したこと」
困惑していると、塁が急にそんなことを聞いてきた。
…高1のとき……?
あたし、塁と電話なんかしたっけ…?
必死に記憶を辿っていると微かながら思い出してきた。
あれは確か、あたしが間違って塁に電話かけちゃって、すぐ切るつもりだったけど久しぶりってこともあってついつい話が弾んで長電話になったんだっけ…。
「思い出したよ」
「そのとき、俺さりげなく由香のこと相談したんだけど、それは?」
「ええと…、あー…そういえば女の子の話してたね…」
唐突に塁から恋愛相談されたんだっけ。
病気持ちの人を好きになったって言ってたけど…、それって由香さんのことだったんだ。
「俺が由香に告白されて、由香のこと好きだったけど支えてやれるか不安だった俺に、林檎はこう言ったんだよ」
「…なんか言ったっけ?」
「“本当に好きなら、自分が満足するところまでいかないとダメ!途中で自分に言い聞かせるように諦めたって、自分も相手も幸せになれない。確かに塁のその恋は簡単なものじゃないかもしれない。でも、彼女のこと本当に、心から想ってるならきっと乗り越えられるはずだよ”って」
塁はあたしの声マネをしたのか、少し声を高くしてそう言った。
…そんなこと、言ったっけ…。

