屋台を見回り、丁度花火が見える橋に寄りかかる。
ドーンっとたくさんの花火が大きな音を立てて上がる。
あたしは林檎飴を舐めながら、空を見上げる。
純也くんには「林檎ちゃんだけに林檎飴?」って笑われたけど、気にしない。
「綺麗だね…」
花火の音が大きく鳴っている中、あたしのその呟きはきっと誰にも聞こえていない。
…なんだか、感動するなぁ。
お母さんも、こうやってお父さんと花火見たのかな?
キラキラと輝いて、空に大きな花を咲かせる花火。
お母さんは、どんな気持ちでお父さんとこの花火を見ていたんだろう。
…あたしは、今どんな気持ちで純也くんと花火を見ているんだろう。
まだ繋がれてる手から伝わってくる純也くんの温もりが嫌じゃないのはなぜ?
きっと、あたしはこの気持ちを知ってる。
だって、一度は体験しているから。
芽生え始めたこの気持ちは、嘘じゃないよね?
…あたしは、自分の気持ちを確かめるように、きゅっと純也くんの手を強く握った。

