Bitter chocolate









あたしが、その真っ黒い仮面を壊すことは出来ないのかな?


…出来ることなら、壊してあげたい。


だって、だって純也くんはあたしの……。


…あたしの、なに?


あたし今、何を思い浮かべた?


あたしの大切な友達だから?


…それともー…。



「…林檎ちゃん、ありがとう」



「…」



「俺、確かに悲しかったしつらかったよ。でも、俺今結構幸せなんだ。…学校はそれなりに楽しいし、案外毎日充実してるし。…俺はもう、あの人に心残りはないんだよ」



「そっか…」



「うん。強いて言うなら、誰か運命の人に出会っててほしいなってところかな。一応今まで育ててくれたのはあの人だし、感謝してないわけじゃないからね。林檎ちゃんの話聞いて、あの人もそんな風に誰か一人と幸せになってほしいって思うよ」



そう言うと、純也くんは優しくあたしの腕を解いた。


純也くんの顔を見ると、優しい瞳に戻っていてほっと安心した。



「…俺の話はだいたい終わりだよ。聞きたいことはある?」


そう聞かれ、あたしはふるふると首を横に振った。


聞きたいことはもうないよ。


だけどね、純也くん。




「約束してほしいことがあるの」



「え?」