…ひ、一人暮らしって凄過ぎる。
あたしには考えられないや…。
「全くおかしな話だよね。あの人のやってること全て軽蔑してたはずなのに、俺も同じようなことで生活費稼いでるしさ…。ほんと、笑っちゃうよ」
…だめだ、もう耐えられないよ。
あたしは、ぎゅうっと純也くんを抱きしめた。
「林檎、ちゃん…?」
「…無理して、笑わないでよ…。見てるこっちがつらくなるの…。悲しい時は、悲しいって言っていいんだよ…?」
純也くんが女遊びが激しかったのは、無意識のうちに愛を求めていたからなのかもしれない。
両親にもらえなかった愛を、周りの女の子たちに求めていたからなのかもしれない。
…そんなの、つらすぎるよ。
こういうとき、どんな言葉をかければ純也くんの気持ちが楽になるのか分からなかったから。
あたしは思ったまんまを言った。
お母さんの顔色を伺っているうちに、純也くんには仮面が出来てしまった。
つらいときも悲しい時も笑って誤魔化せるような、嘘つきな仮面が。

