悲しそうな笑顔に、胸がきゅうっと痛くなる。
あたしの前だけではその仮面をとってほしい。
素のままの純也くんでいてほしい。
そう思うのは、おこがましいことかな?
「…話してさ、俺のこと嫌いにならない?…離れて、いかない?」
「え?」
「ってごめん。なに言ってんだろうね、俺。女々し過ぎ…」
「…ならないよ」
…なるわけ、ないよ。
「どんな話だって、あたし受け止めるよ。純也くんから、離れてったりなんかしないよ…?」
「…うん、ありがと。ここ、人多いからあそこのベンチにでも座ろう?」
「あ、そうだね」
純也くんが指差したのは、あまり一目につかないベンチで。
浴衣が汚れないようにってあたしが座る前に純也くんがハンカチを敷いてくれた。
何だか申し訳なかったけど、お母さんの浴衣を汚したくないからお言葉に甘えて腰をかけた。
楽しそうに歩く人たちを遠目に、純也くんはぽつりぽつりと話し始めた。

