「もしもし」


『もしもし?あ、林檎ちゃん?俺、純也だけど』


「うん、どうしたのー?」


『今日、花火大会行く?』


「行かないよ~」



…一緒に行く人がいないからって言うのはやめた。


寂しい人に思われるのも嫌だし…。



『じゃあさ、俺と行かない?』


「へ…?」


『ダメ?』


「え、あ、いや、ダメってわけじゃ…」


『…林檎ちゃん、圭のこときっぱり諦めたんだよね?』


「え、あ、うん…?」


『…だったら、俺本気で林檎ちゃんのこと狙ってもいいよね?』


強く、真剣な口調の純也くん。


何て言ったらいいかわからず、思わず黙り込む。


すると、向こうからははっと笑い声が聞こえた。