「…ごめん、待った?」


「あ、ううん!全然!あたしも今来たところだから!」



やっと夏休みに入り、あたしは純也くんと二人で花火大会に来ていた。


カップルの典型的な会話を済ませ、二人して並んで歩く。


…なんか、緊張してる、かも…。



……遡ること、三時間ほど前。



「ひますぎる…」


今日が花火大会だとわかっていながら、何もすることがなくソファでアイスを食べながらダラダラしてるあたし。


久々に帰ってきてるお母さんに、何度「邪魔」と言われたことか。



ほんとは優香を誘って行こうと思ったけど、優香は優香で同じ部活の子と行くみたいだったから諦めた。


…塁も今、転校してくる前にいたところに帰ってるし…。


かと言ってさすがに一人で行くのは寂し過ぎる…。


アイスを一本食べ終わり、もう一本食べようか迷ってるとふいに携帯が鳴った。



「んー?…純也くん?」



どうしたんだろう…?

なんか用かな?