Bitter chocolate








「…そう。虹華の人間らしいところが見えたって安心してる。…今までの虹華は、必死に何かを演じてるみたいで…。本当の虹華が何一つ見えなかった」



「…」



「…確かに、階段から突き落とすなんて絶対にやっちゃだめなことだと思う。…でも俺、どうしても嫌いになれない…!もうどうしようもないくらい、虹華のこと、好きなんだ…」




…あたしもだよ、圭。


圭のこと、どうしようもないくらい大好きだよ。


圭の気持ちが痛いほど分かるからこそ、二倍でつらい。


好きな人を、簡単に嫌いになれはしない。


…あたしだって、何度圭を嫌いになりたいって思ったことか…。


現に、長年一緒に居た幼馴染より彼女を優先する圭のこと、嫌いになろうとしてもなれないし…。



だからそれは、仕方のないこと。



「…圭らしいね」


「え?」


「あたしが圭を好きになったのは、多分そういうところ」



…誰に対しても一途で、自分の気持ちに正直なところ。


…誰に対しても優しくて、たまに鈍いけど意思はしっかりしてるところ。