「あたしは大丈夫だから…。足をちょっと捻っただけだし!元気元気!」
ぐっと親指を立てる。
純也くんは体から力が抜けたようにへにゃへにゃとしゃがみ込んだ。
「はー…。良かった…。もう俺心配で心配で…、午後の授業全然頭に入ってこなくてさ…。階段の下で林檎ちゃん倒れてるの見たときは、心臓止まるかと思った…」
「し、心配かけてごめんね…?」
「ううん。林檎ちゃんが無事ならそれでよかったよ。…本当に謝ってほしい相手は他にいるしね」
「え?」
本当に謝ってほしい相手?
「林檎ちゃんのこと突き落とした犯人だよ。…俺、つくづく運いいのかわかんないけど、さっき林檎ちゃんの教室の前通ったとき、聞いちゃったんだよね」
「なにを…?」
「虹華ちゃんと、他の二人が話してるところ。作戦成功、とか、上手く突き落とせた、とか馬鹿みたいに大声で話してたよ」
「…っ」
……やっぱり、ほんとうに虹華ちゃんが犯人なの…?
だとしたら、なんで…?
圭関係だとしても、虹華ちゃんは圭の彼女なんだし、これ以上あたしから何を奪いたいっていうの…?

