あれから、一ヶ月が経った。
もう季節はすっかり夏だ。
近づく夏休みに向けて、部活も日々練習に励んでいた。
「あっちぃ…」
昼休み、隣の席では塁がうちわを仰ぎながらイライラしていた。
…確かに、暑いことは暑い。
何もしなくても汗が出てくるレベル。
…でも、そんなにイライラされたらなんかこっちまで気分下がるんですけど?!
「もー!うるさい!さっきから暑いってしか言ってないじゃない!そんなに暑いなら脱げば?!」
「はぁ?そんなに俺の裸見てーの?」
「ちっがーう!!」
…ダメだ、あたしまでイライラしてきた。
ちょっと裏庭ででも涼んでこようかな…。
「どこ行くんだよ?」と言ってくる塁を無視して、あたしは裏庭に向かった。