Bitter chocolate








改めて劇の役を意識すると、少しずつ緊張が押し寄せる。


本番はまだまだなのに、不安の波も押し寄せてきた。


あたしがお姫様なんて、想像しただけでアウトだ。


誰かさんの言うようにあたしは寸胴だし、顔だって可愛くない。


ドレスなんて勿論似合うことなし。


…ん?ってことは待って…?


あたしは、お姫様役…でしょ?


白雪姫って、確か王子様とキスシーンあるよね…?



えっと…王子様役って……塁っ?!



うわああ…だめだあああ……。


塁とキスシーンなんて、想像しただけでも倒れそう。


それに、あたしには圭が…。


…ま、まあでも、実際にキスするわけはないし…。


そんなに悩むことでもないよね!


「あ、そういえばさー」


「ん?」


「…林檎ってまだ圭くんのこと好きなわけ?」


「ぶほっ」


藪から棒にそんなことを聞かれ、思わず麦茶を吹きだしてしまった。