Bitter chocolate







お母さんは目を丸くして、あたしを見てきた。


「ええっ?!林檎が主役?!な。何の劇なの?」


「白雪姫だよ」


そう言うと、お母さんはぷぷっと笑い出した。



「やっだ…!それ名前に掛けたんでしょー?絶対」



よほどツボったのか、肩まで震わせて笑うお母さん。


…ええ、まさにその通りです。


名前に掛けて決まりました。



「ふふっ、でも良かったじゃない!白雪姫好きだったものね。それに、お姫様役ね?」



「え…?」



お姫様…?



「え?ってなによー。主人公でしょ?白雪姫でしょ?お姫様じゃない」



素敵ね、とお母さんはビールを飲み干す。


…そっか、そうだった…。


ずっと主人公主人公って言ってたけど、白雪姫ってお姫様なんだ…。


…あたしが、お姫様…。


だめだ、似合わなすぎて泣きそうになる。