少しびっくりしたものの、他に立候補者はいなかったため王子役は塁に決まった。
それからは、軌道に乗ったように次々と役が決まっていき…。
とうとう、主人公役だけ残ってしまった。
……主人公か…。
一年生の頃から、夢見てたものがあった。
藍田先輩や、その一個前の先輩のように全身にスポットライト浴びたいとも思ってた。
…やりたくない、といえば嘘になる。
他の人ばっかりで、あたしだけまだ役が決まっていない。
裏方にまわるっていうこともありうるけど…、最後の劇はあたしだってステージに立ちたい。
でもやっぱり、主人公に自分から立候補するのは、どこか気が引ける。
…小さい頃から大好きだった白雪姫。
絵本がボロボロになるくらい読んで読んで読みまくった白雪姫。
王子様と、こんな風に幸せになりたいって思った白雪姫。
…うん、あたしやっぱりやりたい。
下手くそでも、白雪姫を演じたいよ。
「…白雪姫役、あたしがやってもいいですか?」
意を決してだした声は震えていた。
みんなの顔が見れなくて自分の足元を見る。
…反応がないのが、一番怖い…。

