「初めまして、小柳塁です!中2までこっちに住んでて、また戻ってきました!よろしくお願いします!」
春も終わりに近づいた頃。
あたしのクラスに、転校生がやってきた。
今年で、3年生になったあたしたち。
こんな大事な時期に転校生?って思うけど、驚くべきことはそこではない。
「…え、お前もしかして白雪林檎?!」
…そう、転校生…もとい小柳塁は、幼稚園、小学校、中学校2年生まで同級生だったのだ。
会うのはものすごく久しぶりで、少し胸躍るものもある。
…でも、感動の再会とはいかないのがこいつ。
「…久しぶり」
「え、嘘だろ?中学の頃と何も変わってねーじゃん。…相変わらず寸胴だし」
撤回、心躍るものなんてありませんでした。
…そうだ、こいつはそういうやつなんだ。
いじめっ子で、超失礼極まりない男。
それが小柳塁。
小さい頃散々迷惑をかけられてきた。
くっ…!会ってそうそうイラつく…!