Bitter chocolate









震える手で鍵を差し込み、家の中に入る。


ドアにもたれかかり、ずるずると床に座り込んだ。


「…ふっ…ふぇ…」


涙は全く止まってくれない。


…約5ヶ月くらいの、圭との仮の付き合いもこれでお終い。


何だか呆気ないなって思う。


5ヶ月の間、圭の瞳があたしを捉えたことは一度もなかった。


いつも虹華ちゃんのほうを向いていて。


それがつらかったけど、絶対振り向かせてみせるって思ってた。


…でも、無理だった。


振り向く振り向かない以前の問題。


あたしが入る隙間は、1ミリもなかった。


…あたしと変な仮の付き合いとか始める前に、さっさと虹華ちゃんに告ってれば良かったじゃん、圭のバカヤロー…。



…なんて思うも、圭にそれを勧めなかったのはあたし。


完全に自業自得。笑いさえこみ上げてくる。



あたしのこの恋も、もう終わりかな。


諦めるしかないかな。


こんなに大好きなのに、なんで少しも届かないのかな。


「…はは、もう馬鹿らし……」


雨に濡れて、少し冷えた体をあたしはぎゅっと抱きしめた。