「…そっ、そんなことだと思ったよ!やっだな、そんな思いつめたような顔しなくていいよ?あたしたち別に好き合って付き合ってたわけじゃないんだし…!あたしがフラれたみたいな雰囲気だすのやめてくれますか~?」
あははっと笑って、圭の背中をバシンと叩く。
圭はあたしの明るい振る舞いに安心したのか、安堵の表情を浮かべた。
「は~、これでやっとあたしも彼氏作れるぞ~」
あたし、今ちゃんと笑えてるかな。
「超イケメンな年上彼氏捕まえて青春してやろ~」
涙、でてないかな。
「…虹華ちゃんと永遠にイチャラブしてろ!バーカ!…じゃ、寒いからそろそろ家の中入るね!」
とびっきりの作り笑顔で笑って、あたしは圭に背を向けた。
…瞬間、次々と頬を伝う涙。
圭に気づかれるのがいやで、涙は拭わないでおく。
「…林檎!…………!」
後ろから、圭があたしの名前を呼んだ。
何か言っていたみたいだったけど、ポツポツと振り出した雨のせいで聞こえなかった。

