でも出来なくて。
あたしは今、圭にとって“良い幼馴染”を演じきるしかなくて。
圭の言葉が、じんわりとあたしの胸に突き刺さって広がっていく。
「虹華は、可愛いし頭も良いし運動も出来て性格も良いし…、何もかも完璧で俺になんか釣り合わないってわかってるけど…、何度フラれても諦めたくないって思ってる」
「そっか…」
…もう、早く言って?
本題はそれじゃないでしょう?
あたしと圭の、蜘蛛の糸のような細い細い関係をハサミで切りたいんでしょう?
「…だから」
「……」
「だから、ごめん。林檎。仮の付き合いは今日で終わりにしよう」
ついに言われてしまった。
ハサミで切られてしまった。
あたしが縋りに縋っていた、蜘蛛の糸を。
大丈夫。大丈夫だから。覚悟はしてたよ。
…あたしは、演じきらないと。

