時刻はあっという間に過ぎ、もうバイバイする時間になった。
虹華ちゃんと純也くんは駅でお別れ。
家までは、行きと同じで圭と二人きりだ。
薄暗い道を、肩を並べて歩く。
虹華ちゃんに宣戦布告されてから、ずっと上の空だったと思う。
何も頭に入ってこなかった。
隣で圭が話してるのを、適当に相槌を打ちながら聞き流す。
若干ソワソワしてる圭に、嫌な予感がする。
…そういえば、前もこんなこと…あったなぁ。
圭と、仮の付き合いを始めるとき…、だったけ。
あのときも嫌な予感してて…、見事的中したんだよな。
「…じゃあね」
家の前までつき、圭にそう言ってドアを開けようとすると。
ガシッと腕を掴まれた。
…全部、同じだ。
「…林檎、ちょっと話があるんだけど」
ふと見上げた空は、雲行きが少し怪しかった。