Bitter chocolate








それは、あたしだってちゃんと分かってるつもり。


きっと圭は虹華ちゃんしか見ないに決まってる。


虹華ちゃんだって、圭が好きなんだもん。


仮にも付き合ってるあたしじゃなくて、圭も虹華ちゃんとイチャイチャするに決まってるし…。


きっと…いや、99%の確立であたしは純也くんとほぼ一緒になると思う。


だけど、デートって響きにつられちゃったんだもん。


好きな人に、デートしようって言われたら断れるわけないよ。



「…ねえ、林檎。分かってるの?」


「なにが…?」


「そのメンツでね、傷つくのは林檎だけじゃないんだよ?…小笠原くんだって、傷つくかもしれないんだよ?それは分かってるの?」


「…そ、それはあたしも思った。…けど、純也くんから行きたいって言ってきたから…、大丈夫なのかなぁって…」


「ふぅん。小笠原くんも、林檎と同じ気持ちなのかもね。好きな人とデートしたいっていう。もしそうだったら、似合わなくて笑える」


クスクスと笑う優香。


…それはさすがに純也くんに失礼な気がするけど…。



「…まあ楽しむだけ楽しんでくれば?何の映画観るの?」


「……ホラー映画」


ぼそっと言うと、優香が飲んでいたいちごみるくをぶはっと吐き出した。


変な所に入ったのか、ゴホゴホと咳をし始めた。


呆れながらも、テーブルに飛び散ったいちごみるくをティッシュで拭く。


汚いなぁ…、もう。