あたしは玄関で小さく深呼吸をすると、「よし」と小さく呟いてリビングに向かう圭の後を追った。
さすがに、あたしの部屋に来るっていうのはないけど一応部屋は綺麗な状態を保ってたから良かった。
「は~、お腹空いた!」
「え、圭ご飯食べてないの?」
圭から受け取った肉じゃがを、レンジで温める。
「うん。だって一人飯って寂しいじゃん。林檎と食べたほうが数倍美味い」
圭があたしを見てそう笑うから。
あたしの心臓は、大きな音を立ててドキドキと早まった。
圭といると心臓に悪い…。
大きな鼓動の音が圭に聞こえないように、ぎゅっと胸元を押さえつけた。
…やっぱり、あたしが好きなのは圭なんだ。
こんなに胸が苦しくなって、表情一つで胸が高鳴るのは圭だけだもん。
ソファに座り、テレビを観ている圭。
言えたらいいのに。圭のことが好きだよって。
言えたらどんなに楽だろう。
どんどん欲張りになっていく心に、そろそろ歯止めをかけなきゃいけないなぁ…って、温め終わった肉じゃがをお皿に盛り付けながら、あたしはそんなことを思った。

