Bitter chocolate








リビングに行き、電気をつけて気を少しでも紛らわせるためにテレビもつける。


今日もお母さんは遅い。最近、自分の担当してる患者さんのお世話が大変らしい。


お腹は空いてるけど、ご飯作るのはめんどくさい。


コンビニに買いに行くのもめんどくさい。


ただぼーっとテレビを観ていると、ピンポーンとインターホンが鳴った。


…こんな時間に誰?もう20時過ぎてるけど…。


だらけきった体に鞭を入れて、あたしは「よっこらしょ」と立ち上がった。


リビングにある、モニターを見る。


「…って、圭?!」


『やっほ!』


インターホンを鳴らしたのは、圭だった。


急いで、玄関まで向かう。


ドアを開けると、何やらカバンを持った圭が立っていた。


「ど、どうしたの?」


「今日俺以外の誰も家にいなくてさ。寂しかったから、来ちゃった!ちゃんと母さんが作った肉じゃがも持ってきたよ!」


そう言って、圭が「おじゃましまーす」とあたしの家の中に入った。


圭とは昔からの幼馴染だからこうやって互いの家を行き来するのは珍しくない。

だから、さすがにもう慣れた。


…って言いたいけど、ほんとは嘘。いつになっても圭があたしの家に来るとドキドキする。