…だから、疑っちゃうのも仕方ないよね?
ちらっと、純也くんの顔を覗き見る。
案の定、純也くんは笑っていた。
「俺自身、こんな気持ち初めてだからよくわかんないんだけど…。最近は林檎ちゃん以外の女の子に何も感じなくなったんだ。前はあんなに欲情してたのに」
「よ、欲情っ?!」
「恋なんてしたことないからさ、好きって感情がよくわかんないけど…、林檎ちゃんだけが欲しい、林檎ちゃんだけ居ればいい…。そう思うのは、俺が林檎ちゃんを好きだからでしょ?」
「で、でも…っ、それならなんで圭にあたしと仮のお付き合いを進めたの…っ?あたしが傷つくって分かってたでしょう…?」
純也くんは、確かに前言ってた。
俺が圭に林檎ちゃんを利用すれば?って言ったんだよって。
それに、あの時…、純也くんは先生とそういう行為をしてきた後だった。
…あの時はまだあたしのこと好きじゃなかったってこと…?
「好きだからこそ、かな。あの時はまだ自分の気持ちに気づいてなかった。だから他の女の子とも簡単に寝れたし。…でもなーんか嫌だったんだよね、圭と林檎ちゃんがくっつくのが」
作業する手を止めて、純也くんの話に耳を傾ける。
「俺は圭と仲良いから、ずっと前から幼馴染の林檎ちゃんのことは知ってたよ。嫌でも視界に入るからさ、真っ直ぐに圭を思う林檎ちゃんに惹かれてった」
「…そう、だったんだ……」
「早く圭と虹華ちゃんがくっつけばいいのにって思ってた。それで、傷ついてる林檎ちゃんを慰めて俺のものにしちゃおうって。…まだ好きって感情に気づいてなかったのに」
そう言って、純也くんは笑った。
…知らなかった。そんな前から純也くんがあたしのことを思ってくれてたなんて。

