「いったいなんなんだ?この街は・・・。」
現場検証をしに来た剛田は、誰に向ける訳でもなく、ひとり怒っていた。それもそのはずだ。立て続けに隕石が落ちてくる。そして、人を殺める。普通に考えれば、とてもあり得ない事だ。しいて言えば、怒りの矛先は宇宙といったところか。
工藤の家は、跡形もなく燃えていた。隕石が落ちた時に、どうやら発火したらしい。消防が懸命に調べていた。
こうなると剛田の出る幕はない。報告が上がってくるのを待つだけだ。
一服しようと煙草をくわえた。
「あぁ、駄目、駄目。まだ、出火原因がわかってないんですよ。ガスとか出てたら、どうするんです。煙草なら余所で吸って下さいよ。」
「すまない。じゃ、俺はちょっと余所に行ってるから、報告書の方よろしく。」
手を挙げて挨拶をすると、剛田はその場を去り、ある場所へ向かった。消防達は、そんな剛田に呆れていた。