異次元の王子と癒しの姫君


そろそろ支度が出来たかとナナミの部屋に行くと。

「こっちの髪留めにしようかな……」

鏡を見ながら、あーでもない、こうでもないとぶつぶつと言っている。


「ナナミ、支度は出来たか?」


そう声をかけると振り向いたナナミはうれしそうに頷いた。
外に出るのがうれしいみたいだ。
ナナミはオレの言い付けを守ってあれから外には一度も出てなかった。


あれから、きつく言い過ぎたかもしれないと気になっていたが気まずくてここには顔を出すことはなかった。


それでもナナミの様子が気になってリマの代わりにつけた侍女に様子を訊くようにセドラに命じた所、元気がなくあまり食べていないと報告があがり。
さらにリマの事でナナミが話しをしたがっていると聞き直ぐにやるべき事を片付けてナナミの部屋に行った。