異次元の王子と癒しの姫君



数時間前。
「リマにクラウド様とナナミ様で西の丘に行くから支度をするようにと伝えてきました」


「そうか」


「ナナミ様はきっとお喜びになりますね」


「どうかな。
きつく言い過ぎたしナナミはオレと一緒には行きたくないと思ってるかもしれないな」


「クラウド様ともあろうお人が……」


「なんだよセドラ?」


「クラウド様、ディアナ様とナナミ様は別人なんです」


「分かってる」


「ナナミ様はこの世界の住人ではないのです。
いつか自分の世界に戻ってしまうかもしれないんです」


「わかってるって言ってるだろう!!
わかってるんだ。ナナミとディアナは別人いつかここからいなくなるかもって事は。
それにディアナも……もう戻って来ないかもしれない。
何があったか分からないが何も言わずに居なくなるなんて何かに巻き込まれたか他に好きなヤツでも出来たか……」


「それは考えにくいです。
ディアナ様はクラウド様を慕っていたはずです。きっと何か厄介な事に巻き込まれたんです」

「だとしたら、なおさら早く助けないと……」


今日の外出はナナミのためでもあるしディアナの行方を探すためでもある。