異次元の王子と癒しの姫君



クラウド王子の発した恐ろしく低い声にビクンっとなり言葉が出なくなってしまった。
身を竦めると視界が変わり一瞬で自分の部屋に戻っていた。

手が顎に触れ私の顔を持ち上げて怒った顔のクラウド王子がじっと私を見ている。



「いいか?オレが良いと言うまでこの部屋から一歩も出るな。解ったな?」



「待ってっ!」



クラウド王子は立ち止まってはくれず扉をバタンっと音をさせて出ていった。


何で……私の話しを聞いてくれないの。


そのすぐ後にセドラさんがクリスタという人をつれて部屋に来た。



「ディアナ様、リマに変わりお世話をするクリスタです。
クリスタ、ディアナ様にお食事の用意をするように」



クリスタさんは私の食事を持ちに出ていった。
もしかしたら一番近くにいるセドラさんならクラウド王子も話しを聞いてくれるかもしれない……。