異次元の王子と癒しの姫君



「何をしでかしたのか解ってるんだろうな?」

クラウド王子の背後にどす黒い物が広がっているような……錯覚か、本当に見えてるのか。

逃げたい。
逃げたいけどがっしりと躰を拘束されていて動けない。


クラウド王子を止めたくてあんな所から身を乗り出すなんてバカな事をしたから私が悪かったって解ってる。


「ごめんなさい。
……セドラさんが心配だったの……だって」


「セドラ?」


「クラウド様っ、お許しください。
私の責任です。
私がお止めできなかったから……」



クラウド王子の視線はリマさんに移った。


「お前はナナミを危険な目に遇わせた。
付き人失格だな」


「はい、申し訳ございません」

どうしてリマさんが責められるの?
リマさんのせいじゃない。
私が悪いの。
もっと注意すればこんな騒ぎにならなかったのに。