異次元の王子と癒しの姫君



自分の世界に帰りたいかってクラウド王子に聞かれてお父さんとお母さんそれにお兄ちゃんに亜子の顔が順番に浮かんできた。


自分の世界に帰ってみんなに会いたいな……


迎えに来てくれるって言ってた麻美ちゃんは、きっと私が空港に来てなくて心配してるはず


あの飛行機はどうなったんだろうってずっと思ってた。
もしかして私だけこの世界に飛ばされて他の人達は無事だったのかもしれない。


でも、あれだけ揺れたんだし同じように飛行機に乗っていた人達もこの世界に来ている可能性だってあるかもしれない。



「あのっ、他に私と同じようにこの世界に迷い込んじゃった人はいますか?」

「……」


「ここに来る前に私は飛行機に乗ってたんです。他にも大勢、乗っていた。
それから、いきなり大きく揺れて気が付いたら私一人だけ。
どうして私だけこの世界に来ちゃったのかな……やっぱりおかしい!他にもいるかもしれない」


「ナナミっ、落ち着け」