異次元の王子と癒しの姫君



その後、何て言ったのか気になってもう一度訊いてみたけど……。
リマさんは話してはくれなかった。




日が沈み辺りが暗くなると空には満月が浮かんでた。



暗い空に光を放っている月が凄くキレイで窓から眺める。


「キレイな満月だよ。
リマさんもこっちに来て一緒に見ようよ」



「本当に今宵の月はキレイだな」


えっ……?


リマではない男の人の声に驚いてナナミが隣を見るとクラウド王子がいた。


「ク、クラウド王子!?」


いつのまに部屋に来たんだろ……?
声が聞こえて来るまで気がつかなかった。
昼間リマさんから話しを聞いたからかちょっと緊張する。
でも大丈夫だよね。
今は怒らせてないし……。


「ナナミの世界にも同じように月は見えるのか?」


「今日みたいに満月の時には、まあるいお月様が家の私の部屋からも見えたよ」


「そうか……。
自分の世界に帰りたいか?」