異次元の王子と癒しの姫君



「ナナミ様?
私、何か変ですか?」


「……ううん、何でもないの……」


「そうだ!
毎朝、剣の修練があるんです。
見に行きませんか?」


「剣の修練?」


「クラウド王子様のマクナル一族が中心になって作った親衛隊の人達が剣の技の訓練をするんです」


私に向けられた光る剣……あの時の恐怖はまだ忘れてない。
剣を打ち合いしている所なんて怖くて行けない。


「そんな所に行くなんて邪魔になるんじゃないかな……?」

「ふふっ、平気です。
実はとっておきの場所があるんです。クラウド様達がいるところからは遠いから大丈夫です」


「そうなんだ……」


どうしよう大丈夫だと言われても。
たんなる訓練で死ぬ人はいないとは思うけど……。


「すみませんっ」

「えっ?」

リマが謝ったことに首を傾げる。

「話しが、逸れてしまいました」


そういえばいつのまにか訓練を見に行くって話しになってたね。

「どうして王族とマクナル一族だけしかチカラっていうのを持ってないのかな……皆が持てないって不公平って気がする」