異次元の王子と癒しの姫君



「またディアナにヒドイ事を言うんじゃないだろうな?」


グレーの瞳に茶色の髪の人はクラウド王子の睨みを気にしていないのか、にっこり笑顔のまま立っている。


「ヒドイ事?イヤだなぁ~。そんなこと言うわけないでしょ。
ディアナ様が急にいなくなったって聞いて心配したんですよ」

言葉とは、うらはらに向けてきた瞳は冷たいものだった。


クラウド王子と同じグレーの瞳なのに突き刺すように鋭い。こわい……。
とてもイヤな感じ。


身体がブルブルと震えてきた。


「ナナミ?」


どうしよう。
身体の震えが止まらないよ……。