人前であんな行動をとるなんて思わなかった。
ああやって甘えて来るナナミは可愛い。
それにオレしか見えてなかったなんて本人を目の前に言ってくるし、その言葉がどんなにうれしいか。
つい口もとが緩んでしまう。
肩に手をまわすと寄り添って来る。ナナミいて幸せだなと思える。
でもそんな心地良い時間は長くは続かなかった。
「ディアナと日本に行ってきたよ」
「それはどう言うことだ!」
ナナミの一言にオレは緊張した。
「そうだよね驚くよね。最初は夢かと思ったんだけど。
そうじゃないみたい」
「それが本当ならどうやって行った?ルシダはナナミが元の世界に戻ることはできないと言ってたのに」
「ディアナに連れてって貰った。最初は過去に戻ったの、それから……」
ナナミが体験したことを全部聞いた最後にディアナがどうなったのか知ってホッとした。
生まれ変わって幸せになると解ったから。
さっきはナナミがいなくなるんじゃないかって不安になって焦ったけど
ディアナが生まれ変わったならこの先、変わらずナナミは元の世界に戻る事はないとなぜか確信できた。
「ナナミ愛してる」
「私も……愛してる」
ナナミは恥ずかしそうに愛してると返してくれた。
愛してるなんて言うのは恥ずかしかったけどクラウドにはちゃんと言いたかった。
これからも癒しの姫としてクラウドとここで暮らしていく覚悟はとっくにしたけど改めて示したくて。
これからはディアナがお父さんお母さんお兄ちゃんの傍にいるから安心して大丈夫だよね。
私はここで生きていくそれでクラウドと幸せになるよ。
END