異次元の王子と癒しの姫君


休んでいたナナミは何かを胸騒ぎを覚えぶるっと躰をふるわせた。
クラウド……

「ナナミ様っ?」

急に部屋を出ようとしたナナミにリマは声をかけた。

「クラウドに何か大変な事が起こってるのかも……」

「あっ、待ってください!」

慌てて出ていくナナミのあとをリマが追う。

クラウドの部屋にはいつも控えているセドラも当の本人もいなかった。
近くにたっている者に聞くとセドラだけを伴い暫く前に出て行ったが場所は解らないと言う。

「クラウド様はどこに行ったんでしょうか……戻りますか?」


このまま戻るなんて……この胸騒ぎは普通じゃない。
良くない事が起こってる確かにそう感じる。
とにかく探すしかない。

「いいえ、クラウドを探す。お願い手伝って」

「わかりました。宮殿内の中だけでなく外にいる可能性もありますね。宮殿を守る護衛兵達にも一緒に探してもらいましょう」

「ナナミ様!」

リマを従えクラウドを探している最中セドラに逢えた。
「ナナミ様、良かった直ぐに一緒に来て下さい」

セドラはひどく慌ててるようだ。やっぱりクラウドに何かあったのね。
イヤな感じが増す。


ナナミがセドラの後に中に入ると異様な光景に驚いた。