「アデル」
「その声は兄上?酷いよね、実の息子にこの仕打ちやっぱりあいつは最低な王だよ」
「王がお前の父親だからこうして生きてられる。普通なら処刑されてもおかしくない父上は反省して更生することを望んでる」
「たしかに生きてるよそれに変わらず話せるし耳も聞こえる。だからありがたく思えって事?」
「訊きたいことがある、お前がディアナを……殺したのか?」
「だったら何?
……そうだよ僕が崖から突き落としたんだよ」
「お前っ……なぜ殺した?どうして権力争いにディアナを巻き込んだ?お前はディアナに好意を持ってたんじゃなかったのか?」
「だってさ、言うこと聞いてくれなかったから。ぼくが王位継承するためにディアナが必要だって言ったのに拒否したんだ。
癒しの姫の癖に嫌だって言うしだったら要らないかって、体制が変われば癒しの姫なんて必要ない」
「だから……殺したっての言うのか?」
「そうだよ」
せいせいしたような顔のアデルは突然叫び出す。
「う、ああぁぁ……痛いよぉぉ」
眼が見えていれば放たれたものは事前に防ぐ事ができたかもしれない。
拘束されているアデルは躰中に感じる猛烈な痛みにただ叫ぶ事しかできない。
「ディアナはもっと痛くて恐かったはずだ」
クラウドの周りにはどす黒い物が纏っていた。
「クラウド様っ……」
それに気付いて止めようとしたセドラはクラウドに近づこうとして弾き飛ばされる。
後ろに下がっていたアデル王子のお世話係はクラウドが恐ろしい魔物にでも見えたのか腰を抜かしてブルブルと震えて動く事もできない。



