異次元の王子と癒しの姫君



「ナナミ」


「は、はい」


初めて私の名前を七海って呼んでくれた。


ディアナじゃなくて七海って呼ばれてキスの事が一瞬どこかに行ってしまい。
うれしくなって顔を上げた。


でも……クラウド王子は私が予想していた通りの顔とは全く逆の怒っているような顔をしていた。


なんで怒っているの?


「お前はどういうつもりだ!
本当に記憶を無くしたのか?
それともウソを吐いてるのか?」


ウソって何……?


「私はウソなんてついてないよっ」


「それを信じろって?」


ウソなんてついてないよぉ。

信じてくれないの……。


悲しくなってきた。