異次元の王子と癒しの姫君



頭が重くて躰がだるい……
ナナミは今、自分が椅子に座っている事が解かり動こうとしたけど自分の思う通りに躰を動かせない。
それでも何とか目を開けた。


「ようやく気づきましたか?」


始めはボンヤリとしていたものがだんだんはっきりしてくると声をかけた男の顔がしっかりと見えてきた。


「あなたは……」

覚えのある顔……アデル王子の執事ムハト。



「私はどうして……」


どうしてここにアデル王子の執事と一緒にいるのか考えようとするのにダメだった。


「ディアナ様そろそろ出番ですよ」


出番?

「そうだこれを返して置きますね。こちらには必要ないものですから」

ナナミのくびには見覚えのあるペンダントが掛けられた。
岩壁に立つ自分、アデル王子がペンダントを手にして海に投げようとする姿が浮かぶ。
なかなか思い出せずにいた空白の部分が全て思い出せそうだった。

「さぁ……」


ムハトから渡されたものを持つと思い出せそうだった事は頭の中からすっと消えてしまいナナミの意識はある言葉に支配された。