異次元の王子と癒しの姫君



「ずいぶんと楽しくやってるようだな」

聞き覚えのある声がして振り向いたらグレーの瞳の人がいた。


確かセドラさんがクラウド様って言ってたっけ。


「あっ、ク、クラウド王子様……」


リマさんは慌てて後ろに下がった。



「二人だけで話しがしたい」
そうクラウド王子がリマさんに言うと。

「ナナミ様失礼します」


クラウド王子と私に一礼してお料理がのったトレーを押して行ってしまった。



部屋にはクラウド王子と私の二人だけ。目の前に立つクラウド王子の顔をそっと見ると目が合ってしまった。



気まずくて直ぐに視線を逸らす。
思い出してしまった。
私は昨日、この人とキスをしちゃったんだよね。



私はカレシなんて居ないしキスだって初めてで、だから今、凄く頭の中が混乱してる。
勝手にキスしてヒドイって怒りたいけど……。