異次元の王子と癒しの姫君


帰りの馬車の中ナナミは考えていた。クラウドはいつからシーラとの話しを聞いていたのか……。


「コトリという魔女のことだけど」


「えっ!コトリさんのこと?」


「お前の失踪に関係あるといつから考えていた?」

「それは……最初は森でコトリさんが謝って来るから私をディアナだと勘違いしているくらいにしか思わなくてそれからコトリさんは怯えているように見えて何か変だと思った」


「その時に変だと思ったならなぜ言わない?」


「だってあの時はディアナの記憶は戻ってなかった!それに関係があるかどうかも……前に森で何かあったのかもしれないと思ったから」


もし、もっと前に話してたらコトリさんが居なくなることはなかった……。
コトリさんが無事で帰って来なかったら私のせい。


「そんな顔をするな」
クラウドはナナミの頭を宥めるように優しく撫でた。