異次元の王子と癒しの姫君


さっきまで目の前のデザートを夢中になって食べていたはずのナナミが別の方向に顔を向けたまま動かない。


「ナナミどうした?」

声をかけるとやっとナナミはこっちに気付く。ナナミが見ていた窓の方を向くとナナミに向かって手を振っていた。


いつもは逢えない王族が街に来れば人が集まってくるのはいつもの事。あの窓にへばりついて手を振ってる男は純粋に逢いたくて来たのだろう。


……純粋にとは言えないな。視線はナナミにだけ集中してるしやたらとニコニコしているのも気に入らない。
おまけにナナミは手を振りかえしてますます図に乗ってるようだ。
ナナミの喜ぶ顔は見れてうれしいけどあいつのせいで気分はいいとは言えなくなってきた。


クラウドはこれ以上この光景を見ていたら余計に気分が悪くなると思いナナミの方に向き直った。